ベイズの定理
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この記事で扱う統計知識
ベイズの定理とは ― 営業マネジャーのための「新しい情報で確率を更新する」技術
1. この記事で学べること
ポイント
・事前の確率を新情報で更新できる ・「陽性=病気」などの早とちりを防げる ・P(A|B)とP(B|A)の向きを混同しない
2. エピローグ
スマホが鳴った。
知らない番号だ。
出るべきか。
ふだんかかってくる電話の9割は、家族や仕事などのふつうの電話。 いきなり「これは迷惑電話だ」と決めつける理由はない。
でも画面をよく見ると、番号が「+」から始まる国際電話だった。
とたんに、あやしさが跳ね上がる。
迷惑電話ほど国際番号を使いがちだと知っているからだ。
「知らない番号」だけのときと、「国際番号」という情報が加わったあとで、頭の中の“迷惑電話らしさ”が更新されている。
いちこ
シュン
別の日。
財布が見当たらない。
家かカフェか、心当たりは半々。
とりあえずカフェに電話してみた。
店員さん「黒い財布の落とし物、届いていますよ」
その瞬間、「カフェにある確率」が一気に跳ね上がった。
半々だった見込みが、たった一つの情報で大きく塗り替わる。
いちこ
シュン
迷惑電話も、落とし物の財布も、やっていることは同じだ。
「最初の見込み」を、新しい情報で「更新後の見込み」に書き換えている。
これを式にしたのが、ベイズの定理だ。
3. ベイズの定理とは何か
ベイズの定理とは、ある結果(情報)が得られたとき、その原因の確率を更新するための考え方だ。
更新前の確率を事前確率、更新後の確率を事後確率と呼ぶ。
- 事前確率 … 情報が入る前の見込み(迷惑電話は10%くらい、など)
- 事後確率 … 情報が入ったあとに更新した見込み(国際番号だとわかった後、など)
土台になるのは条件付き確率だ。まだのときは条件付き確率を先に読むと、ここがすっと入る。
ここで一番大事な注意がある。
「迷惑電話が国際番号である確率」と「国際番号なら迷惑電話である確率」は、まったく別物だ。 向きを取り違えると、確率を大きく読み違える。
ポイント
P(結果|原因) と P(原因|結果) は 別の数字。ベイズはこの向きを 正しくひっくり返す道具。
4. 図で見る
さっきの迷惑電話を数字にしてみる。
かかってくる電話のうち迷惑電話は10%(事前確率)。 迷惑電話の半分は国際番号、ふつうの電話が国際番号なのは1%だけ、としよう。
「国際番号だった」という情報が入ったあと、それが迷惑電話である確率(事後確率)を計算すると、こうなる。
- 情報が入る前は「10%くらい」だった見込みが、
- 「国際番号」という1つの情報で、約85%まで跳ね上がる。
- 逆に国際番号でなければ、迷惑電話の確率はさらに下がる。
ここで2つ、覚えておいてほしい。
① 事前確率(もとの割合)を無視すると読み違える。 どんなに強い証拠でも、もともと珍しいことは、更新してもそこまで高くならないことがある。
② 情報は1回で終わりではない。 新しい事実が入るたびに、事後確率を次の事前確率にして、何度でも更新できる。
営業のヨミも同じだ。申告した確度を出発点に、過去実績という情報で着地見込みを更新していく。営業の着地見込みは、まさにこの更新をやっている。
注意
・P(A|B)とP(B|A)を混同しない ・事前確率(もとの割合)を無視しない ・珍しい事象は証拠が強くても慎重に
5. 計算式
シュン
いちこ
ベイズの定理
- : 事前確率(情報が入る前の見込み)
- : 尤度(原因Aのとき結果Bが出やすさ)
- : 事後確率(情報Bが入ったあとの見込み)
- : 結果Bが起きる全体の確率
分母は場合分けで足し合わせる
迷惑電話の例で計算する(迷惑10%・迷惑が国際50%・ふつうが国際1%)
事前の10%が、たった1つの情報で約85%に更新された。
生成AIに渡せば10秒で計算できる。手計算は不要。
6. まとめ
まとめ
・ベイズは事前確率を新情報で更新する道具 ・事後確率は次の更新の事前確率になる ・P(A|B)とP(B|A)の向きを混同しない
確率の基礎から積み上げたいなら確率の基礎、
二項分布で「何回中何回成功するか」も合わせて押さえると、確率分野がつながって見える。
いちこ
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