同じ土俵で努力しても、差はすぐ埋まる。競う場所そのものを選び直す論点を3つ紹介する。
✓お勧めする人
- 比較表と値引きから抜けたい
- 商材の位置づけを考える立場
- 新しい提案軸を探している
−おすすめしない人
- 今期の商談を動かす手が欲しい
- 日本企業の事例が読みたい
著者について
W・チャン・キム・レネ・モボルニュ
INSEAD 教授
- 経歴
- ともにINSEADで競争戦略を研究してきた
- 実績
- 100年以上・30業種にわたる事例を分析し、新しい市場を作る企業の共通点を取り出した
目的
機能を足した。価格も合わせた。それでも比較表の中に並べられ、最後は値引きで決まる。
努力が足りないのではなく、同じ土俵にいる。本書を読む目的は、競う場所を選び直す発想を持つことにある。
論点1 勝ち方ではなく、競う場所を変える
同じ指標で比べられている限り、努力の差はすぐ埋められる。本書が勧めるのは比べる指標そのものを変えることだ。
営業の現場でも、比較表に載る項目で戦っている限り値引き競争から抜けられない。載っていない軸を持ち込めるかが分かれ目になる。
いちこ
比較表の項目は、顧客が決めてきますよね。
シュン
決まってから入るとそうなるんだ。決まる前に入れば、項目のほうを作れるんだよ。
論点2 増やす前に、取り除く
本書の枠組みは4つだが、要点は上2つから先に考えることにある。
- 取り除く … 業界で当然とされているが、本当は要らないもの
- 減らす … 過剰に作り込んでいるもの
- 増やす / 付け加える … その後で考える
増やす発想だけだと、機能が増えてコストも上がり、結局同じ土俵の上位互換にしかならない。
論点3 外側の層に聞く
既存顧客だけに聞くと、今の土俵の改善案しか出てこない。
- 検討したがやめた層 … 何が障害だったかを聞ける
- 検討にすら入らない層 … なぜ必要ないと思っているか
外側に聞くと、業界の「当然」が見えてくる。一人を深く掘る手順は 実践 顧客起点マーケティング が具体的だ。
いちこ
買わなかった人に聞くのは、気が重いです。
シュン
気は重いけどね。受注した理由より、断った理由のほうが情報量が多いんだ。
この本の限界と、次に読む本
成功事例を後から説明する形が中心で、再現の手順としては弱い。事例の選び方への批判もある。構造から見るなら 競争の戦略、戦略の組み立てなら 良い戦略、悪い戦略 が隣に並ぶ。
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競争戦略のほかの本
- ストーリーとしての競争戦略 楠木建
- 良い戦略、悪い戦略 リチャード・P・ルメルト
- 競争の戦略 M・E・ポーター