ロイヤル顧客の囲い込みに寄っていないか。購買データが示す別の形を扱う論点を3つ紹介する。
✓お勧めする人
- 既存顧客の施策ばかり打っている
- マーケ施策の前提を点検したい
- 数字で議論したい
−おすすめしない人
- BtoBの大型案件だけを扱う
- すぐ使う手順が欲しい
著者について
バイロン・シャープ
南オーストラリア大学 アレンバーグ・バス研究所 所長
- 経歴
- 多数のブランドの購買データを分析してきた
- 実績
- マーケティングの通説がデータと合わないことを実証で示した
目的
優良顧客との関係を深める施策を打ってきた。満足度も高い。それでも全体の数字が伸びない。
施策が弱いのではなく、売上を作っている層が別にいる。本書を読む目的は、思い込みを購買データで点検することにある。
論点1 売上の大半は、たまにしか買わない多数が作っている
「少数の熱心な顧客が売上の大半を作る」という前提は、多くのカテゴリでデータと合わない。
- よく買う層 … 一人あたりは大きいが、人数が少ない
- たまに買う層 … 一人あたりは小さいが、人数が圧倒的に多い
囲い込みより、まず知られて候補に入るほうが効く場面が多い。
いちこ
既存顧客を大事にするのは間違いということですか?
シュン
間違いじゃないよ。ただそこ"だけ"だと伸びないんだ。配分の話なんだよね。
論点2 思い出される入口と、買いやすさ
本書が売上を説明する要因として置くのは2つだ。
- 思い出される入口 … 「期初の予算組みで」「担当者が替わった時に」
- 買いやすさ … 問い合わせ導線、見積の速さ、小さく始められる形
独自性を磨いても、思い出されなければ検討に入らない。差別化より、この2つの積み上げのほうが数字を説明する。
論点3 「自社だけのファン層」は思っているより小さい
自社の顧客は競合も検討している。重なりを前提にしたほうが実態に近い。
顧客像を細かく切り分けて別の施策を当てるより、露出そのものを増やすほうが効く、というのが本書の立場になる。
いちこ
ペルソナを細かく作っていました。
シュン
作ること自体は悪くないんだ。ただ切り分けた先の層が、実は同じ人たちだったりするんだよね。
この本の限界と、次に読む本
消費財の購買データが中心で、少数の大口が売上を占めるBtoBにはそのまま当てはまらない。大口依存の構造なら ABM アカウントベースドマーケティング、買わない層の見方なら “未”顧客理解 が隣に並ぶ。
Amazonで見る Amazonのアソシエイトとして、SaleStats Lab は適格販売により収入を得ています。
自社の数字で確かめる
この本の考え方を、統計で検証する側の記事です。
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