リード件数は増えた。だが受注は増えない。数える単位を件から社に変えるための論点を3つ紹介する。
✓お勧めする人
- 大口依存の事業を扱う
- マーケと営業の数字が噛み合わない
- 関与者の多い案件を追う
−おすすめしない人
- 小口・多数の商材を扱う
- 商談内の技術を学びたい
著者について
庭山一郎
シンフォニーマーケティング 代表
- 経歴
- 1990年代から日本でBtoBマーケティングの実務に携わってきた
- 実績
- 国内でABMという概念を早期に紹介した一人
目的
マーケはリード件数を達成した。インサイドセールスも商談設定数を達成した。それでも受注は増えていない。
各部門の努力不足ではなく、数えている単位が合っていない。本書を読む目的は、件数から社数へ発想を移すことにある。
論点1 売上が数社から来るなら、数えるのは社数
本書の前提は、BtoBでは売上の大半が少数の大口から来るという構造だ。
- 広く集める … 件数は出るが、買える会社はごく一部
- 狙う企業を決める … 1社ごとに関与者を名前で把握し、別の打ち手を設計する
大型案件を扱う組織では、リード件数という指標そのものが合わない。
いちこ
件数が多いほうが機会も増える気がします。
シュン
単価が小さい商材ならそうだね。大口中心だと、20社を深く追うほうが効くんだ。
論点2 連携を阻むのは意識ではなく、追う数字
マーケはリード件数、インサイドは商談設定数、営業は受注金額。全員が達成しても受注は増えないという状態が起きる。
本書が置くのは、狙う企業リストの共有だ。同じ会社を見ていれば、会話が噛み合う。部門間の壁は意識ではなく指標の設計から来ている。
工程に分けて共通の数字で見る型は THE MODEL が詳しい。
論点3 1社を1件と数えると、中の空欄が見えない
1社の中には情報システム、業務部門、経営企画がいて、それぞれ別のことを気にしている。
- 情報システム … 導入の実務を見る
- 業務部門 … 困りごとの出どころ
- 経営企画 … 投資判断を握る
地図にすると、誰にまだ会えていないかが空欄として見える。社内で合意を作る側の視点は 隠れたキーマンを探せ! が詳しい。
いちこ
窓口の方としか会っていませんでした。
シュン
よくあるよ。空欄が見えると、次に誰に会うかが自然に決まるんだ。
この本の限界と、次に読む本
2016年の本で、ツールの記述は古い。考え方の部分だけを取る読み方が現実的。顧客理解の方法なら 実践 顧客起点マーケティング、エンタープライズの攻め方なら チャレンジャー・セールス・モデル が隣に並ぶ。
Amazonで見る Amazonのアソシエイトとして、SaleStats Lab は適格販売により収入を得ています。
BtoBマーケティングのほかの本
- 実践 顧客起点マーケティング 西口一希
- マーケティングとは「組織革命」である 森岡毅
- インテントセールス 小笠原羽恭