ABM アカウントベースドマーケティング の書影

ABM アカウントベースドマーケティング

究極のBtoBマーケティング

庭山一郎

リード件数は増えた。だが受注は増えない。数える単位を件から社に変えるための論点を3つ紹介する。

✓お勧めする人

  • 大口依存の事業を扱う
  • マーケと営業の数字が噛み合わない
  • 関与者の多い案件を追う

−おすすめしない人

  • 小口・多数の商材を扱う
  • 商談内の技術を学びたい

著者について

庭山一郎

シンフォニーマーケティング 代表

経歴
1990年代から日本でBtoBマーケティングの実務に携わってきた
実績
国内でABMという概念を早期に紹介した一人

日経BP / 2016年12月

目的

マーケはリード件数を達成した。インサイドセールスも商談設定数を達成した。それでも受注は増えていない。

各部門の努力不足ではなく、数えている単位が合っていない。本書を読む目的は、件数から社数へ発想を移すことにある。

論点1 売上が数社から来るなら、数えるのは社数

広く集める 件数は出るが、買える会社はごく一部 狙う企業を決める A社関与者5名を名前で把握B社関与者5名を名前で把握C社関与者5名を名前で把握 1社ごとに別の打ち手を設計する 大型案件では、リード件数という指標そのものが合わない 売上の大半が数社から来る構造なら、数えるのは社数になる
広くリードを集める方法と、狙う企業を決めて当てる方法。

本書の前提は、BtoBでは売上の大半が少数の大口から来るという構造だ。

  • 広く集める … 件数は出るが、買える会社はごく一部
  • 狙う企業を決める … 1社ごとに関与者を名前で把握し、別の打ち手を設計する

大型案件を扱う組織では、リード件数という指標そのものが合わない。

いちこ

いちこ

件数が多いほうが機会も増える気がします。
シュン

シュン

単価が小さい商材ならそうだね。大口中心だと、20社を深く追うほうが効くんだ。

論点2 連携を阻むのは意識ではなく、追う数字

部門ごとに別のKPI マーケリード件数インサイド商談設定数営業受注金額 全員が達成しても受注は増えない 同じ対象企業を共有 狙う20社のリスト マーケインサイド営業 同じ会社を見ているので会話が噛み合う 部門の連携を阻んでいるのは意識ではなく、追う数字の違い
部門ごとに別のKPIを追う状態と、同じ対象企業を共有する状態。

マーケはリード件数、インサイドは商談設定数、営業は受注金額。全員が達成しても受注は増えないという状態が起きる。

本書が置くのは、狙う企業リストの共有だ。同じ会社を見ていれば、会話が噛み合う。部門間の壁は意識ではなく指標の設計から来ている。

工程に分けて共通の数字で見る型は THE MODEL が詳しい。

論点3 1社を1件と数えると、中の空欄が見えない

A社(狙う20社のうち1社) 情報システム 導入の実務を見る 業務部門 使う側。困りごとの出どころ 経営企画 投資判断を握る 誰にまだ会えていないかを、空欄として見えるようにする 1社を1件として数えると、中の空欄が見えなくなる
1社の中の関与者を部署と役割で地図にする。

1社の中には情報システム、業務部門、経営企画がいて、それぞれ別のことを気にしている。

  • 情報システム … 導入の実務を見る
  • 業務部門 … 困りごとの出どころ
  • 経営企画 … 投資判断を握る

地図にすると、誰にまだ会えていないかが空欄として見える。社内で合意を作る側の視点は 隠れたキーマンを探せ! が詳しい。

いちこ

いちこ

窓口の方としか会っていませんでした。
シュン

シュン

よくあるよ。空欄が見えると、次に誰に会うかが自然に決まるんだ。

この本の限界と、次に読む本

2016年の本で、ツールの記述は古い。考え方の部分だけを取る読み方が現実的。顧客理解の方法なら 実践 顧客起点マーケティング、エンタープライズの攻め方なら チャレンジャー・セールス・モデル が隣に並ぶ。

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