隠れたキーマンを探せ! の書影

隠れたキーマンを探せ!

データが解明した最新B2B営業法

ブレント・アダムソン・マシュー・ディクソン

キーマンには会えている。それでも案件が進まない。顧客の社内で合意が作られる過程に手を入れるための論点を3つ紹介する。

✓お勧めする人

  • 関与者の多い大型案件を扱う
  • 感触はいいのに決まらない
  • 商談後の停滞に打ち手がない

−おすすめしない人

  • 決裁者が1人の小規模取引が中心
  • まず商談内の質問設計を固めたい

著者について

ブレント・アダムソン・マシュー・ディクソン

CEB(現ガートナー)の法人営業研究チーム

経歴
CEBで法人営業の調査に携わってきた
実績
700社超・数千人の購買関与者を対象とした調査をもとに執筆

実業之日本社 / 2018年12月

目的

決裁者とは会えた。手応えもあった。それなのに「社内で調整中」のまま半年が過ぎる。

商談の進め方ではなく、顧客の社内で合意が作られていないことが原因になっている。本書を読む目的は、勝負の場を商談の外側まで広げることにある。

論点1 関与者が増えた分、合意は遠のく

全員が合意する確率 購買に関与する人数 1人3人5人7人9人 一人を説得する力をいくら磨いても この線は動かない 勝負は、顧客の社内で合意が作られるかどうかに移る
購買関与者の人数が増えるほど、全員合意の確率は下がる。

本書の出発点は調査結果だ。法人の購買に関わる人数は増え続けており、全員の納得が必要になった。すると一人を説得する力をいくら磨いても、この線は動かない。

  • 一人を説得する技術 … 商談の中で効く
  • 合意を作る支援 … 商談の外、顧客の社内で効く

提案の質が高いのに決まらない案件が多いなら、問題は商談の中ではない可能性が高い。

いちこ

いちこ

人数が多い案件は、単に時間がかかるだけだと思っていました。
シュン

シュン

時間の問題じゃないんだ。放っておくと合意そのものが成立しないんだよ。

論点2 話しやすい人と、動かせる人は別

社内を動かす力 こちらへの好意・話しやすさ 厳しいが動かせる 提案に注文をつけてくる 動かす人 ここを探す 接点が切れている 話は合うが動かない ここに通い続けてしまう 好意と推進力は別の軸。混ぜると右下に時間を使い切る
好意・話しやすさと、社内を動かす力は別の軸。

本書が指摘するのは、営業が会いやすい相手ほど社内を動かさないという構図だ。歓迎してくれる、話が合う、情報もくれる。だが合意を取りにいく気はない。

逆に提案に注文をつけてくる相手のほうが、社内で変化を起こそうとしていることがある。好意と推進力を同じ軸で見ていると、右下の相手に時間を使い切る。

「いつも感触がいい顧客なのに、毎回決まらない」と感じる相手がいたら、その人が社内で誰を動かしたかを一度確かめてみる。

論点3 説得する相手は、説得してくれる人

これまで 営業 担当者 社内の他部署 ここで止まる 本書の提案 営業 材料を渡す 動かす人 説得する 社内の他部署 合意が進む 説得する相手は意思決定者ではなく、社内で説得してくれる人
営業が外から説得する形と、顧客の担当者が社内を説得する形。

本書の提案は、営業が全員を説得しにいくのをやめて、社内で説得してくれる人に材料を渡すことだ。渡すのは製品説明ではなく、相手の社内で議論を起こせる論点になる。

  • 渡さない場合 … 担当者から先で話が止まる
  • 渡した場合 … 他部署での合意が進む

大型案件の攻め方としては THE MODEL の分業設計と組み合わせて読むと、どの工程で誰に当てるかが見えやすくなる。

いちこ

いちこ

こちらが全員に会わなくてもいいんですね。
シュン

シュン

会えないことのほうが多いからね。中の人が話せる材料を持っているかが効くんだ。

この本の限界と、次に読む本

同じ著者陣の前著 チャレンジャー・セールス・モデル は、商談の中で顧客に教える側に立つ話。本書はその商談が終わったあと、顧客の社内で何が起きているかを扱っている。質問で課題を立ち上げる技術そのものは SPIN営業術 が先にくる。

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