マーケティングとは「組織革命」である の書影

マーケティングとは「組織革命」である

森岡毅

案は正しいのに通らない。社内で通す力そのものを扱う論点を3つ紹介する。

✓お勧めする人

  • 正しい案が通らない
  • 部門間の壁に当たっている
  • 立場が弱いまま動かしたい

−おすすめしない人

  • マーケティングの手法を学びたい
  • 組織論の理論が欲しい

著者について

森岡毅

刀 代表 / 元・USJ マーケティング責任者

経歴
P&G → ユー・エス・ジェイ(USJ)マーケティング責任者 → 刀を設立
実績
USJの入場者数回復を主導した社内改革の経験をもとに執筆

日経BP / 2018年5月

目的

打ち手は間違っていないはずだ。データも揃えた。それでも稟議の途中で削られ、通った時には別物になっている。

案の質ではなく、通す力を持っていない。本書を読む目的は、社内で案を動かす方法を技術として扱うことにある。

論点1 施策が効かないのは、案が悪いからではない

良い打ち手 部門の都合前例との整合稟議の階層 × 通る間に削られて、通った時には別物になっている 施策が効かないのは、案が悪いからではないことがある 通す力を持たないまま案を磨いても、現場には届かない だから本書は、組織の側を扱う
良い打ち手が組織の構造で削られていく経路。

本書の出発点は、良い案が組織を通る過程で削られるという観察だ。部門の都合、前例との整合、稟議の階層。

通す力を持たないまま案を磨いても、現場には届かない。だから組織の側を扱うというのが本書の構えになる。

いちこ

いちこ

案をもっと良くすれば通ると思っていました。
シュン

シュン

良い案が通らない仕組みのほうを見ないと、ずっと同じことが起きるんだ。

論点2 立場がない側が持てるのは、専門の力

社内で案を通すときに使える力は3つある 立場の力 決裁権・役職 いちばん分かりやすいが、持っていない人が多い 専門の力 数字と根拠 立場がなくても使える。営業が持てる力 関係の力 誰と話せるか 時間をかけて貯まる。急には作れない 立場がない側が持てるのは、専門の力だけ
人を動かす3つの力。

本書は人を動かす力を3つに分ける。

  • 立場の力 … 決裁権・役職。持っていない人が多い
  • 専門の力 … 数字と根拠。立場がなくても使える
  • 関係の力 … 誰と話せるか。時間をかけて貯まる

営業が持てるのは2つ目だ。現場の数字を自分で読んで出せるかどうかで、通せる案の範囲が変わる。そのKPI、本当に成果につながるか はその材料になる。

論点3 社内調整に勝つことが目的になると、市場から目が離れる

社内と戦う 自分 他部門 勝っても市場では何も変わらない 社内を味方にして外と戦う 自社(自分+他部門) 競合 勝ち負けが顧客の選択で決まる 社内調整に勝つことが目的になると、市場から目が離れる
社内と戦う構えと、社内を味方にして外と戦う構え。

他部門と対立して勝っても、市場では何も変わらない。

本書が繰り返すのは、戦う相手を間違えないことだ。社内を味方に変えてから外と戦う。勝ち負けを顧客の選択で決める構図に戻す。

いちこ

いちこ

社内の説得に一番時間を使っていました。
シュン

シュン

そこは必要なんだ。ただ勝つのが目的になると、顧客の話が消えるんだよね。

この本の限界と、次に読む本

タイトルはマーケティングだが、中身は社内政治と組織の扱い方で、手法の本ではない。顧客理解の方法なら 実践 顧客起点マーケティング、噛み合わない相手との対話なら 他者と働く が隣に並ぶ。

Amazonで見る Amazonのアソシエイトとして、SaleStats Lab は適格販売により収入を得ています。

BtoBマーケティングのほかの本