案は正しいのに通らない。社内で通す力そのものを扱う論点を3つ紹介する。
✓お勧めする人
- 正しい案が通らない
- 部門間の壁に当たっている
- 立場が弱いまま動かしたい
−おすすめしない人
- マーケティングの手法を学びたい
- 組織論の理論が欲しい
著者について
森岡毅
刀 代表 / 元・USJ マーケティング責任者
- 経歴
- P&G → ユー・エス・ジェイ(USJ)マーケティング責任者 → 刀を設立
- 実績
- USJの入場者数回復を主導した社内改革の経験をもとに執筆
目的
打ち手は間違っていないはずだ。データも揃えた。それでも稟議の途中で削られ、通った時には別物になっている。
案の質ではなく、通す力を持っていない。本書を読む目的は、社内で案を動かす方法を技術として扱うことにある。
論点1 施策が効かないのは、案が悪いからではない
本書の出発点は、良い案が組織を通る過程で削られるという観察だ。部門の都合、前例との整合、稟議の階層。
通す力を持たないまま案を磨いても、現場には届かない。だから組織の側を扱うというのが本書の構えになる。
いちこ
案をもっと良くすれば通ると思っていました。
シュン
良い案が通らない仕組みのほうを見ないと、ずっと同じことが起きるんだ。
論点2 立場がない側が持てるのは、専門の力
本書は人を動かす力を3つに分ける。
- 立場の力 … 決裁権・役職。持っていない人が多い
- 専門の力 … 数字と根拠。立場がなくても使える
- 関係の力 … 誰と話せるか。時間をかけて貯まる
営業が持てるのは2つ目だ。現場の数字を自分で読んで出せるかどうかで、通せる案の範囲が変わる。そのKPI、本当に成果につながるか はその材料になる。
論点3 社内調整に勝つことが目的になると、市場から目が離れる
他部門と対立して勝っても、市場では何も変わらない。
本書が繰り返すのは、戦う相手を間違えないことだ。社内を味方に変えてから外と戦う。勝ち負けを顧客の選択で決める構図に戻す。
いちこ
社内の説得に一番時間を使っていました。
シュン
そこは必要なんだ。ただ勝つのが目的になると、顧客の話が消えるんだよね。
この本の限界と、次に読む本
タイトルはマーケティングだが、中身は社内政治と組織の扱い方で、手法の本ではない。顧客理解の方法なら 実践 顧客起点マーケティング、噛み合わない相手との対話なら 他者と働く が隣に並ぶ。
Amazonで見る Amazonのアソシエイトとして、SaleStats Lab は適格販売により収入を得ています。
BtoBマーケティングのほかの本
- 実践 顧客起点マーケティング 西口一希
- ABM アカウントベースドマーケティング 庭山一郎
- インテントセールス 小笠原羽恭