合意を急ぐほど、相手は構える。ノーを引き出して話を続ける論点を3つ紹介する。
✓お勧めする人
- 合意を急いで失敗する
- 相手が本音を出さない
- 価格の反論に毎回押される
−おすすめしない人
- 条件設計から考えたい
- 体系的な交渉理論が欲しい
著者について
クリス・ヴォス・タール・ラズ
元・FBI 人質交渉人
- 経歴
- FBIで国際誘拐事件の交渉を担当 → 交渉コンサルティング会社を設立
- 実績
- 現場での経験をビジネス交渉に置き換えて体系化した
目的
イエスを積み上げる進め方を習った。だが実際には、同意を求めるほど相手が身構える。
技術が未熟なのではなく、同意させられる予感を与えている。本書を読む目的は、逆から入る方法を知ることにある。
論点1 「ノーと言える」と分かると、構えが解ける
「少しお時間よろしいですか」は警戒される。「今お話しするのは無理がありますか」なら、断る権利が相手にあると伝わる。
結果として話が続くことが多い。イエスを積み上げる手法は、警戒されると逆に働く。
いちこ
わざわざ断りやすくするんですか?
シュン
断れる状態のほうが、人は話すんだよ。追い込まれると黙るからね。
論点2 最後の数語を、そのまま返す
「予算の都合で、今期は厳しくて」に対し、「今期は厳しい、というのは…?」と返す。
言葉を足さず、最後の数語をそのまま返すだけで、相手は説明を続ける。そこで本当の事情が出てくる。沈黙の使い方は LISTEN と重なる。
論点3 言われる前に、自分で言う
提案してから「高いですね」と言われると防戦になる。
先に「正直、安くはないと思われるはずです」と言ってしまえば、相手は反論する必要がなくなる。その論点は争点でなくなる。
次の提案で、相手が必ず言うであろう一言を予想して先に口に出す。防戦の時間がまるごと消える。
いちこ
弱点を自分から言うのは、勇気が要ります。
シュン
要るね。ただ隠しても相手は気づいてるから。先に言うと、誠実さのほうが残るんだ。
この本の限界と、次に読む本
人質交渉の事例が中心で、法人営業とは緊張度が違う。手法を場面に合わせて弱める必要がある。原則なら ハーバード流交渉術、条件の組み立てなら 交渉の達人 が隣に並ぶ。
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