逆転交渉術 の書影

逆転交渉術

まずは「ノー」を引き出せ

クリス・ヴォス・タール・ラズ

合意を急ぐほど、相手は構える。ノーを引き出して話を続ける論点を3つ紹介する。

✓お勧めする人

  • 合意を急いで失敗する
  • 相手が本音を出さない
  • 価格の反論に毎回押される

−おすすめしない人

  • 条件設計から考えたい
  • 体系的な交渉理論が欲しい

著者について

クリス・ヴォス・タール・ラズ

元・FBI 人質交渉人

経歴
FBIで国際誘拐事件の交渉を担当 → 交渉コンサルティング会社を設立
実績
現場での経験をビジネス交渉に置き換えて体系化した

早川書房 / 2018年6月

目的

イエスを積み上げる進め方を習った。だが実際には、同意を求めるほど相手が身構える。

技術が未熟なのではなく、同意させられる予感を与えている。本書を読む目的は、逆から入る方法を知ることにある。

論点1 「ノーと言える」と分かると、構えが解ける

イエスを求める 「少しお時間よろしいですか」 相手は警戒する 同意させられる予感がある ノーを引き出す 「今お話しするのは無理がありますか」 断る権利が相手にあると伝わる かえって話が続く 人は「ノーと言える」と分かると、構えを解く イエスを積み上げる手法は、警戒されると逆に働く
イエスを求める質問と、ノーを引き出す質問。

「少しお時間よろしいですか」は警戒される。「今お話しするのは無理がありますか」なら、断る権利が相手にあると伝わる。

結果として話が続くことが多い。イエスを積み上げる手法は、警戒されると逆に働く。

いちこ

いちこ

わざわざ断りやすくするんですか?
シュン

シュン

断れる状態のほうが、人は話すんだよ。追い込まれると黙るからね。

論点2 最後の数語を、そのまま返す

「予算の都合で、今期は厳しくて」 「今期は厳しい、というのは…?」 「実は来期の組織変更が決まっていなくて…」 最後の数語を そのまま返すだけ
相手の最後の数語を繰り返して、話を続けさせる。

「予算の都合で、今期は厳しくて」に対し、「今期は厳しい、というのは…?」と返す。

言葉を足さず、最後の数語をそのまま返すだけで、相手は説明を続ける。そこで本当の事情が出てくる。沈黙の使い方は LISTEN と重なる。

論点3 言われる前に、自分で言う

相手に言わせる 提案する 「高いですね」 防戦になる 先に自分が言う 「正直、安くはないと思われるはずです」 相手は反論する必要がなくなる 言われる前に自分で言うと、その論点は争点でなくなる
相手が抱くであろう反論を、自分から先に言う。

提案してから「高いですね」と言われると防戦になる。

先に「正直、安くはないと思われるはずです」と言ってしまえば、相手は反論する必要がなくなる。その論点は争点でなくなる。

次の提案で、相手が必ず言うであろう一言を予想して先に口に出す。防戦の時間がまるごと消える。
いちこ

いちこ

弱点を自分から言うのは、勇気が要ります。
シュン

シュン

要るね。ただ隠しても相手は気づいてるから。先に言うと、誠実さのほうが残るんだ。

この本の限界と、次に読む本

人質交渉の事例が中心で、法人営業とは緊張度が違う。手法を場面に合わせて弱める必要がある。原則なら ハーバード流交渉術、条件の組み立てなら 交渉の達人 が隣に並ぶ。

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