そのKPI、成果と関係あるか ― 見かけの相関を見抜く
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この記事で扱う統計知識
そのKPI、成果と関係ある? ― 見かけの相関にだまされない
ダッシュボードを眺めていて、気づいた。
「訪問回数が多い担当ほど、受注額が大きい」
相関もはっきり出ている。
「よし、全員の訪問回数を増やそう」と号令をかけそうになった。
でも、ふと引っかかる。
大型案件を担当しているメンバーは、もともと訪問回数も多いし受注額も大きい。
訪問が受注を生んだのか、それとも「案件規模」が両方を押し上げているだけなのか。
いちこ
シュン
「見かけの相関」を層別で見抜く
原因と結果の両方に影響する第三の変数(交絡)があると、関係がないのに相関が出る(みかけの相関)。案件規模で層別すると、各グループ内では訪問と受注の関係が消えることがある。
- 全体では相関0.72と強く見える。
- 案件規模(交絡)を差し引くと偏相関0.12まで落ちる。
- 訪問と受注の関係の多くは、案件規模が作った見かけだった。
注意
・相関あり=因果ではない ・両方に効く第三の要因(交絡)を疑う ・層別や偏相関で見かけを差し引く
会議での声かけ例
「訪問回数と受注、相関は出ています。ただ案件規模で層別すると関係が消えるかもしれません。KPIにする前に確認しませんか。」
「“増やせば増える”指標か、“結果を映しているだけ”の指標か。層別して本物の打ち手を選びましょう。」
なぜ「交絡・偏相関」なのか
KPIは「動かせば成果が動く」ものを選ぶべき。だが相関は結果を映しているだけのこともある。第三の変数を疑い、層別や偏相関でその影響を差し引いて初めて、本当に効くKPIかが分かる。条件をそろえて比べる実験ができれば、さらに確かだ。
いちこ
シュン
生成AIとの対話例
KPI候補と成果の関係を確かめたい。 ・訪問回数と受注額の相関係数: 0.72 ・訪問回数と案件規模の相関: 0.8 ・受注額と案件規模の相関: 0.85 案件規模を制御した「訪問回数と受注額の偏相関」を計算し、訪問回数をKPIにすべきか考察して。
生成AIに渡せば10秒で計算できる。手計算は不要。
まとめ
ポイント
相関は因果でない。両方に効く第三の要因(交絡)を疑う。 層別・偏相関で見かけを差し引き、動かせるKPIを選ぶ。
まとめ
・相関が出てもKPIに直結させない ・交絡(第三の変数)を層別/偏相関で確認 ・“動かせる指標”をKPIにする
KPIと成果の因果を見抜く全体像は、課題ガイド「そのKPI、本当に成果につながるか」にまとめている。
いちこ
- 偏相関係数・みかけの相関 ― 第三の変数を差し引いて測る
- 交絡 ― 見かけの関係を生む第三の要因
- 相関係数 ― 相関と因果は違う
理解度をチェックしよう
「偏相関係数・みかけの相関」の3問クイズに挑戦