交絡
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この記事で扱う統計知識
交絡とは ― 営業マネジャーのための「見かけの関係にだまされない」考え方
1. この記事で学べること
ポイント
・第三の要因が生む見かけの関係を疑える ・「関係あり」を鵜呑みにせず層別で確かめる ・KPIを置く前に交絡をチェックできる
2. エピローグ
健康番組で、こんな話を見た。
「よく歩く高齢者ほど、医療費が低い」
なるほど、歩けば健康になって医療費も下がるのか。
と思ったが、待てよ、と引っかかる。
そもそも、もともと元気な人だから、よく歩けているのではないか。
弱っている人は、歩きたくても歩けない。
「歩く→医療費が下がる」ではなく、「もともとの健康度」が、歩く量と医療費の両方を動かしているのかもしれない。
いちこ
シュン
自分のことでも思い当たる。
「エナジードリンクを飲んだ日は、仕事がはかどる気がする。」
でも冷静に振り返ると、飲むのはたいてい締め切り前だ。
締め切りが迫って気合が入っている日に、ドリンクも飲んでいる。
はかどったのはドリンクのおかげか、それとも締め切りのおかげか、区別がついていない。
いちこ
シュン
歩く量と医療費。 ドリンクと仕事のはかどり。
どちらも、背後に「両方を動かす第三の要因」がいた。
これを見抜く考え方が、交絡だ。
3. 交絡とは何か
交絡とは、原因と結果の両方に影響する第三の要因(交絡変数)が、見かけの関係を生んでしまうことをいう。
さきほどの例なら「もとの健康度」や「締め切り」が交絡変数だ。
原因でないのに関係があるように見える点は、擬相関とよく似ている。相関だけで因果を決めない、という話とつながっている。
交絡を減らすには、条件をそろえて比べるのが基本だ。
だれに割り付けるかを工夫する実験研究と観察研究や、
フィッシャーの3原則は、まさに交絡をつぶすための作法になっている。
ポイント
交絡変数は、原因と結果の 両方に矢印を持つ第三の要因。 いると関係が“水増し”される。
4. 図で見る
営業でありがちな例を見てみる。
「訪問回数が多い担当ほど、受注率が高い」というデータが出た。 では全員に訪問を増やせば受注率は上がるのか。
担当している案件の規模で層別(グループ分け)して見ると、景色が変わる。
- 同じグループの中では、訪問が多くても受注率はほとんど変わらない(18→20、38→40)。
- 大型案件の担当は、もともと訪問回数も多く受注率も高い。
- 全体をまぜて見ると「訪問が多いほど受注率が高い」ように見えるだけだった。
ここで交絡していたのは「案件規模」だ。 案件規模が、訪問回数と受注率の両方を押し上げていた。
覚えておきたいのは2つ。
① 関係が出たら「両方に効く第三の要因はないか」を先に疑う。
② 疑ったら層別して確かめる。グループに分けても関係が残るかを見る。
この「まぜると出るが分けると消える関係」は、架電量と成果の関係でも起きやすい罠だ。
注意
・関係あり=因果、と決めない ・第三の要因(交絡)を先に疑う ・層別しても残るかを確認する
5. 計算式
シュン
いちこ
交絡変数Zの影響を取り除いたうえでのXとYの関係は、偏相関係数で測れる。
- : XとYの相関係数(見かけの関係)
- : 交絡変数Zとの相関
- : Zの影響を除いた後の、XとYの相関
は大きいのに が小さくなれば、その関係の多くはZ(交絡)による見かけだった、と読める。
層別して各グループで相関を見るのも、同じことを確かめる素朴なやり方だ。
生成AIに渡せば10秒で計算できる。手計算は不要。
6. まとめ
まとめ
・交絡=原因と結果の両方に効く第三の要因 ・いると見かけの関係が生まれる ・層別や偏相関で本当の関係を確かめる
関係の強さそのものは相関係数で、
条件をそろえて比べる設計は実験研究と観察研究で押さえると、因果の話がつながる。
いちこ
- 架電量と成果の関係 ― 「量が正義」に潜む第三の変数を疑う
- インサイドセールスのKPI分析 ― 指標の裏にある交絡を層別で見抜く
- フィッシャーの3原則 ― 交絡をつぶして正しく比べる作法
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