「具体・抽象」トレーニング の書影

「具体・抽象」トレーニング

思考力が飛躍的にアップする29問

細谷功

経験は積んでいる。だが次の案件に活きない。具体と抽象を往復するための論点を3つ紹介する。

✓お勧めする人

  • 経験が次に活きない
  • 上司や部下と話が噛み合わない
  • 抽象的な指示に困っている

−おすすめしない人

  • 具体的な営業手法が欲しい
  • 設問形式が合わない

著者について

細谷功

思考法を主題にした著述家

経歴
コンサルティングの実務を経て、思考法を主題にした著作を手がけてきた
実績
具体と抽象の往復を29の設問で練習させる構成をとった

PHP研究所 / 2020年3月

目的

A社で失注した。原因も振り返った。それなのにB社で同じことが起きる。

振り返りが足りないのではなく、事実のまま持っていて、一段上げていない。本書を読む目的は、経験を次に使える形に変えることにある。

論点1 一段上げてから、別の場面に下ろす

抽象 決裁者が不在だと案件は止まる ① 一段上げる ② 別の場面に下ろす 具体(経験した事実) A社で部長が異動して止まった 具体(次に使う場面) B社でも決裁者を先に確かめる 経験が次に活きないのは、一段上げずに別の案件へ移るから
具体と抽象を行き来して応用する手順。

「A社で部長が異動して止まった」は事実だ。これを決裁者が不在だと案件は止まるまで上げると、B社でも使える。

  • 一段上げる … 事実から言えることを1行で書く
  • 別の場面に下ろす … 次の案件で、決裁者を先に確かめる

経験が次に活きないのは、上げずに別の案件へ移るからだ。

いちこ

いちこ

振り返りはしているのに、なぜ活きないんでしょう。
シュン

シュン

事実を思い出すだけで終わってるんだ。一行でいいから「つまり何か」を書くと変わるよ。

論点2 噛み合わないのは、階層が違うから

抽象 具体 「営業力を上げたい」 上司 「このメールの文面が…」 部下 この距離が埋まっていない 噛み合わないのは意見の違いではなく、話している階層の違い
会話している抽象度の階層が違うと噛み合わない。

上司が「営業力を上げたい」と言い、部下が「このメールの文面が」と返す。意見の違いではなく、話している階層の違いだ。

どちらも正しい。ただ距離が埋まっていない。上げるか下ろすかを一方が意識するだけで、会話は噛み合う。

会議で噛み合わないと感じたら、「それは具体的にどの場面の話ですか」か「つまり何の話ですか」のどちらかを聞く。

論点3 上げすぎた言葉は、正しいのに使えない

具体 抽象 事例の報告だけ 次に使えない 使える高さ 別の案件に下ろせる 反証もできる 「要は顧客目線」 誰も反論できず、何も変わらない 上げすぎた言葉は、正しいのに使えない 下ろしてみて使えるかどうかが、高さの正しさの判定になる
抽象度が高すぎる場合と低すぎる場合。

「要は顧客目線」は誰も反論できないが、誰も何も変えられない。

  • 事例の報告だけ … 次に使えない
  • 上げすぎ … 正しいが動かない
  • 使える高さ … 別の案件に下ろせて、反証もできる

下ろしてみて使えるかどうかが、高さの正しさの判定になる。

いちこ

いちこ

「顧客目線で」と言われると、何をすればいいか分かりません。
シュン

シュン

そうなんだよ。正しいから反論もできない。だから下ろして確かめるしかないんだ。

この本の限界と、次に読む本

設問を解く形式で、読み流すと何も残らない。手を動かさないと効かない本になる。分解の型なら 問題解決プロフェッショナル「思考と技術」、同じ著者の概算の技術なら 地頭力を鍛える が隣に並ぶ。

Amazonで見る Amazonのアソシエイトとして、SaleStats Lab は適格販売により収入を得ています。

批判的思考のほかの本