質問はしている。それでも返ってこない。場を読んでから問いを選ぶ論点を3つ紹介する。
✓お勧めする人
- 会議やレビューで意見が出ない
- 1on1が浅い
- 日常の会話で使いたい
−おすすめしない人
- 課題設定そのものを学びたい
- 制度の設計をしたい
著者について
安斎勇樹
MIMIGURI 代表 / 東京大学の研究者
- 経歴
- ワークショップデザインとファシリテーションを研究と実践の両面から扱ってきた
- 実績
- チームの日常会話で使える問いかけに範囲を絞って整理した
目的
「何か意見ある?」と聞いた。沈黙。「どう思う?」と聞き直した。やはり沈黙。
聞き方が悪いというより、沈黙の理由を読んでいない。本書を読む目的は、問いを選ぶ前の手順を持つことにある。
論点1 質問の文言を考える前に、場を読む
本書は問いかけを3段に分ける。最初の「見立てる」が飛ばされやすい。
- 沈黙の理由が「分からない」 … 情報を足す問いに変える
- 沈黙の理由が「言いにくい」 … 役として話せる問いに変える
同じ質問でも、場の状態を読み違えると機能しない。
いちこ
沈黙の理由は、どう見分けるんですか。
シュン
分からないときは視線が泳ぐけど、言いにくいときは目が合わないんだ。あとは聞いてみるのが早いね。
論点2 答えにくいのは、足場が無いから
- 「何か意見はありますか」 → 「一言で言うと、どこが気になりますか」
- 「どう思いますか」 → 「あえて反対するとしたら、何を言いますか」
- 「課題は何ですか」 → 「もし来月やり直せるなら、何を変えますか」
条件や制約を一つ足すと、途端に答えやすくなる。広すぎる問いは親切に見えて、実は足場が無い。
論点3 反対を言わせるのではなく、言う役を用意する
全員が「やるしかない」で一致している場では、反対意見は出せない空気になっている。
「反対の立場で一人だけ話すなら?」「3年後に失敗していたら、原因は何?」なら、役として話せるので個人の意見にならない。
次の会議で決まりかけたとき、「あえて反対するなら」を一周だけ回してみる。
いちこ
反対意見を言うのは、勇気が要ります。
シュン
だから役にするんだ。「役として言ってるだけ」という逃げ道があると、人は話せるんだよ。
この本の限界と、次に読む本
ファシリテーションの技法が中心で、商談のヒアリングには直接当てはまらない部分がある。課題の設定からなら同じ著者の 問いのデザイン、聞く側の構えなら LISTEN が隣に並ぶ。
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自社の数字で確かめる
この本の考え方を、統計で検証する側の記事です。