問いかけの作法 の書影

問いかけの作法

チームの魅力と才能を引き出す技術

安斎勇樹

質問はしている。それでも返ってこない。場を読んでから問いを選ぶ論点を3つ紹介する。

✓お勧めする人

  • 会議やレビューで意見が出ない
  • 1on1が浅い
  • 日常の会話で使いたい

−おすすめしない人

  • 課題設定そのものを学びたい
  • 制度の設計をしたい

著者について

安斎勇樹

MIMIGURI 代表 / 東京大学の研究者

経歴
ワークショップデザインとファシリテーションを研究と実践の両面から扱ってきた
実績
チームの日常会話で使える問いかけに範囲を絞って整理した

ディスカヴァー・トゥエンティワン / 2021年12月

目的

「何か意見ある?」と聞いた。沈黙。「どう思う?」と聞き直した。やはり沈黙。

聞き方が悪いというより、沈黙の理由を読んでいない。本書を読む目的は、問いを選ぶ前の手順を持つことにある。

論点1 質問の文言を考える前に、場を読む

見立てる 場に何が起きているかを読む 組み立てる 問いの形を決める 投げかける 言い方と間を選ぶ 質問の文言を考える前に、場を読む段がある 沈黙の理由が「分からない」のか「言いにくい」のかで、問いが変わる 同じ質問でも、場の状態を読み違えると機能しない
見立てる・組み立てる・投げかけるの3手順。

本書は問いかけを3段に分ける。最初の「見立てる」が飛ばされやすい。

  • 沈黙の理由が「分からない」 … 情報を足す問いに変える
  • 沈黙の理由が「言いにくい」 … 役として話せる問いに変える

同じ質問でも、場の状態を読み違えると機能しない。

いちこ

いちこ

沈黙の理由は、どう見分けるんですか。
シュン

シュン

分からないときは視線が泳ぐけど、言いにくいときは目が合わないんだ。あとは聞いてみるのが早いね。

論点2 答えにくいのは、足場が無いから

何か意見はありますか 一言で言うと、どこが気になりますか どう思いますか あえて反対するとしたら、何を言いますか 課題は何ですか もし来月やり直せるなら、何を変えますか 答えにくいのは、問いが広すぎて足場が無いから 条件や制約を一つ足すと、途端に答えやすくなる
答えにくい問いを、答えやすい形に組み替える。
  • 「何か意見はありますか」 → 「一言で言うと、どこが気になりますか」
  • 「どう思いますか」 → 「あえて反対するとしたら、何を言いますか」
  • 「課題は何ですか」 → 「もし来月やり直せるなら、何を変えますか」

条件や制約を一つ足すと、途端に答えやすくなる。広すぎる問いは親切に見えて、実は足場が無い。

論点3 反対を言わせるのではなく、言う役を用意する

「やるしかない」 で全員が一致 反対意見が出せない空気 「反対の立場で一人だけ話すなら?」 「3年後に失敗していたら、原因は何?」 役として話せるので、個人の意見にならない 反対を言わせるのではなく、反対を言う役を用意する
発言が同じ方向に固まった場に、別の視点を入れる。

全員が「やるしかない」で一致している場では、反対意見は出せない空気になっている。

「反対の立場で一人だけ話すなら?」「3年後に失敗していたら、原因は何?」なら、役として話せるので個人の意見にならない。

次の会議で決まりかけたとき、「あえて反対するなら」を一周だけ回してみる。
いちこ

いちこ

反対意見を言うのは、勇気が要ります。
シュン

シュン

だから役にするんだ。「役として言ってるだけ」という逃げ道があると、人は話せるんだよ。

この本の限界と、次に読む本

ファシリテーションの技法が中心で、商談のヒアリングには直接当てはまらない部分がある。課題の設定からなら同じ著者の 問いのデザイン、聞く側の構えなら LISTEN が隣に並ぶ。

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この本の考え方を、統計で検証する側の記事です。

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