分散分析(回帰の文脈)
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この記事で扱う統計知識
分散分析(回帰の文脈)とは ― モデル全体が「意味あるか」を判定する
1. この記事で学べること
いちこ
シュン
いちこ
まとめ
・重回帰における分散分析の役割がわかる ・モデル全体の有意性を検証する意味がわかる ・個々の係数の検定との違いがわかる
2. エピローグ
「勉強時間・睡眠時間・部活動時間」の3つから、テストの点数を予測する重回帰式を作ってみたことがあった。
式はできた。決定係数もそこそこ良い値が出た。
でも、ふと疑問がわいた。
「この3つの変数を使った予測モデル全体が、本当に意味のある予測をできていると言えるのか。それとも、たまたま数字が並んだだけなのか」
個々の変数の効果は気になるが、その前に「そもそもこのモデル全体が使えるものなのか」を確かめたくなった。
いちこ
シュン
会社の先輩が、「気温・湿度・曜日」から売上を予測する重回帰式を作っていたときも、同じような話をしていた。
「3つの変数を使えば使うほど、それっぽい式は作れる。でも、そのモデル全体が本当に売上の変動をちゃんと説明できているのか、まず確認しないといけないんだよね」
・テスト点数の予測モデル ・売上の予測モデル
2つに共通しているのは、 「個々の変数だけでなく、モデル全体が意味のある予測をしていると言えるか」を確かめたい、ということだ。
この「モデル全体の有意性」を検証する手法が、回帰の文脈での分散分析だ。
3. 分散分析(回帰の文脈)とは何か
分散分析(ANOVA)とは、複数の説明変数を使った回帰モデル全体が、目的変数のばらつきを説明できているかを検定する手法だ。
ポイント
「すべての回帰係数が0である(=どの変数も意味がない)」という仮説を検定する。この仮説が棄却されれば、モデル全体としては意味のある予測ができていると言える。
個々の係数検定との違い
- 回帰係数の検定:1つ1つの変数(勉強時間など)が個別に意味があるかを見る
- 分散分析:モデル全体(勉強時間・睡眠時間・部活動時間をまとめて)が意味があるかを見る
両方を確認することで、「モデル全体は有効だが、この変数だけは効いていない」といった詳しい診断ができる。
4. 図で見る
重回帰モデルの分散分析結果を、モデルで説明できる変動と、説明できない変動(誤差)に分けて見てみる。
このモデルでは、テスト点数のばらつきの68%が「勉強時間・睡眠時間・部活動時間」で説明でき、残り32%は誤差(他の未知の要因)ということになる。
分散分析では、この「説明できる変動」が偶然の範囲を超えて大きいかどうかを検定し、モデル全体の有意性を判断する。
いちこ
シュン
いちこ
ここで2つのことを覚えておいてほしい。
① モデル全体の検証は、個々の係数検定とは別に必要 1つ1つの変数の効果を見る前に、まずモデル全体が意味のある予測をできているかを確認する。
② 「説明できる変動」の大きさが判断材料になる モデルが説明できる変動が、誤差(説明できない変動)に対して十分大きければ、モデル全体は有意と判断できる。
注意
分散分析で「モデル全体は有意」という結果が出ても、個々の変数すべてが意味があるとは限らない。個別の回帰係数の検定と合わせて確認することが大切だ。
5. まとめ
まとめ
・回帰における分散分析は、モデル全体が意味のある予測をしているかを検定する手法 ・「すべての係数が0」という仮説を検定し、棄却されればモデル全体は有意と言える ・個々の係数検定と合わせて確認することで、モデルをより正確に診断できる
シュン
いちこ
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