2つのばらつきを比べる
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この記事で扱う統計知識
2つのばらつきを比べる ― 営業マネジャーのための「母分散の比の検定」
1. この記事で学べること
ポイント
・2グループのばらつきの差を検定できる ・F分布を使う理由がわかる ・比の区間推定もあわせて押さえる
2. エピローグ
2つの通勤ルートで、かかる時間を記録している。
平均の所要時間は、どちらもだいたい同じ。
でも片方は毎回ほぼ一定、もう片方は日によって大きくブレる。
平均が同じでも、「読める」ルートと「読めない」ルートでは価値が違う。
いちこ
シュン
2台の体重計でも思う。
どちらも平均は正しそうだが、片方は測るたびの値が安定していて、もう片方はブレる。
安定しているほう(ばらつきが小さいほう)を信じたい。
この「ばらつきの差」が本物かを確かめたい。
いちこ
シュン
通勤ルートの安定性も、体重計のブレも、知りたいのは「2つのグループのばらつきに差があるか」だ。
これを判定するのが母分散の比の検定だ。
3. 母分散の比の検定とは何か
2つの母集団のばらつき(分散)に差があると言えるかを、分散の比で調べる検定だ。「ばらつきは等しい(σ1² = σ2²)」を帰無仮説に置く。
1グループのばらつきを扱う母分散の検定の、2グループ版にあたる。
2つの標本分散の比を統計量にすると、それがF分布に従う。
背景はF分布を合わせて読むとわかる。2標本t検定で「等分散を仮定してよいか」の事前チェックにも使える。
ポイント
帰無仮説は「2つの分散は等しい」。 統計量は s1²/s2²(分散の比)。 F分布で判定する。
4. 図で見る
営業で、2人のメンバーの受注額のばらつきを比べてみる。
平均はほぼ同じだが、Aさんは標準偏差80万で安定、Bさんは160万で大きくブレる。
- 標準偏差の比は2倍。分散の比なら約4倍(160²/80²)。
- F = 大きいほうの分散 ÷ 小さいほうの分散。F分布の基準点を超えれば差は有意。
- 比の区間推定を出すと、「ばらつきが何倍違うか」の幅もわかる。
覚えておきたいのは2つ。
① 平均が同じでも、ばらつきの差は計画の立てやすさを大きく変える。
② 2標本t検定の前に、等分散かどうかをこの検定で確かめられる。
1グループのばらつきは母分散の検定に戻ると整理できる。
注意
・平均が同じでもばらつき差は重要 ・統計量は分散の比(F) ・正規母集団を前提とする点に注意
5. 計算式
シュン
いちこ
母分散の比の検定統計量
- : 各グループの標本分散(慣例上、大きいほうを分子に置く)
- 自由度は の2つ
この F を自由度2つのF分布と比べ、基準点を超えればばらつきに有意差ありと判断する。
生成AIに渡せば10秒で計算できる。手計算は不要。
6. まとめ
まとめ
・2つの母分散の差を比で検定する ・統計量は s1²/s2²、F分布で判定 ・2標本t検定の等分散チェックにも使う
1グループは母分散の検定、支える分布は
いちこ
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