母分散の検定
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この記事で扱う統計知識
母分散の検定とは ― 営業マネジャーのための「ばらつきが大きすぎないか」を確かめる
1. この記事で学べること
ポイント
・平均でなく「ばらつき」を検定できる ・基準よりブレが大きいか判定する ・カイ二乗分布を使う理由がわかる
2. エピローグ
毎朝、同じ食パンを同じトースターで焼いている。
だいたい3分でちょうどいい焼き加減になる。
ところが最近、日によって焦げたり生焼けだったりとブレが大きい。
平均の焼き時間は変わっていないのに、仕上がりが安定しない。
問題は「平均」ではなく「ばらつき」のほうにある。
いちこ
シュン
スマホの充電でも感じる。
前は1日の減り方が安定していたのに、最近は日によって大きく違う。
平均すれば同じくらいでも、読めなさが増した。
「ばらつきが以前より大きくなったのか」を確かめたい。
いちこ
シュン
トーストの焼き加減も、充電の減り方も、気になっているのは平均ではなくばらつきだ。
ばらつき(分散)が基準と違うかを調べるのが母分散の検定だ。
3. 母分散の検定とは何か
母分散の検定とは、データのばらつき(母分散)が、ある基準の値と異なると言えるかを調べる手法だ。
ばらつきの指標そのものは分散・標準偏差で扱った、あの分散だ。
「分散は基準どおり(σ² = σ0²)」を帰無仮説に置く。
平均の検定と違い、検定統計量はカイ二乗分布に従う。
なぜカイ二乗かはカイ二乗分布を合わせて読むと腑に落ちる。
ポイント
平均ではなくばらつきを検定する。 統計量は χ²=(n−1)s²/σ0²。 カイ二乗分布で判定する。
4. 図で見る
営業で、受注額のばらつきを検定してみる。
これまで受注額の標準偏差は120万(基準)。今期20件の標準偏差は175万に増えた。 「ばらつきが基準より大きくなったと言えるか?」
- 標準偏差が120→175万に増え、見込みが立てにくくなっている。
- χ² = (20−1)×175² / 120² ≈ 40.4。
- 自由度19のカイ二乗分布の上側5%点(約30.1)を超えており、ばらつきの増大は有意。
覚えておきたいのは2つ。
① 平均が同じでも、ばらつきの増大は予測や計画の精度を下げる。
② ばらつきの検定は平均の検定とは別物で、カイ二乗分布を使う。
受注額のばらつきを実務でどう捉えるかは受注率のばらつきも参考になる。
注意
・平均の検定とは統計量が違う ・ばらつき増大は計画精度を下げる ・自由度n−1のカイ二乗で判定する
5. 計算式
シュン
いちこ
母分散の検定統計量
- : 標本分散(実測のばらつき)
- : 基準となる母分散
- : 自由度
この統計量を自由度 n−1 のカイ二乗分布と比べ、上側(または下側)の基準点を超えれば、ばらつきは基準と有意に異なると判断する。
生成AIに渡せば10秒で計算できる。手計算は不要。
6. まとめ
まとめ
・母分散の検定はばらつきが基準と違うかを見る ・統計量 χ²=(n−1)s²/σ0² を使う ・自由度n−1のカイ二乗分布で判定する
検定の全体像は仮説検定、間違え方は
いちこ
理解度をチェックしよう
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