営業の科学 の書影

営業の科学

セールスにはびこるムダな努力・根拠なき指導を一掃する

高橋浩一

努力は足りていないのか。買い手の本音と売り手の前提のズレを、調査データから見直すための論点を3つ紹介する。

✓お勧めする人

  • 根拠のない指導をやめたい
  • 失注理由が価格に偏る
  • 調査データで現場を説得したい

−おすすめしない人

  • 商談内の質問の型を学びたい
  • 組織の分業設計から考えたい

著者について

高橋浩一

TORiX 代表

経歴
コンペでの勝率を題材にした営業支援を手がけてきた
実績
買い手側・売り手側への大規模アンケート調査をもとに執筆

かんき出版 / 2024年4月

目的

件数は足りている。提案も丁寧にやっている。それでも決まらない案件が積み上がる。

量の問題ではなく、買い手の見え方と売り手の前提がずれている。本書を読む目的は、そのズレを調査データで確認し、指導の根拠を勘から移すことにある。

論点1 信じている前提を、一度疑う

売り手の見立て 買い手の本音 「検討します」= 前向き 社内で話題にもしていない 決裁者に会えれば決まる 会う前に候補は絞られている 要件が固まってから提案 固まる前の相談相手がいない ズレているのは努力の量ではなく、前提の置き方 自分の案件で、左側のどれを信じているかを確かめる
売り手の見立てと買い手の本音のズレ。

本書は買い手側・売り手側への調査をもとに、営業が当たり前と思っている前提を並べて崩していく。

  • 「検討します」は前向き … 実際は社内で話題にもなっていない
  • 決裁者に会えれば決まる … 会う前に候補は絞られている

ここで効くのは、自分の案件で左側のどれを信じているかを確かめることだ。ズレているのは努力の量ではなく、前提の置き方になる。

いちこ

いちこ

「前向きに検討します」は、やっぱり期待していました。
シュン

シュン

言葉を疑うんじゃなくて、社内で誰に話したかを聞くといいよ。そこで実態が分かる。

論点2 「価格が高い」は、聞かれなくなる答え

報告された失注理由 掘ると出てくる理由 価格が高い他社に決定時期が合わずその他 「価格」に寄りすぎている 必要性が立たず社内で推す人が不在他社のほうが安心価格 打ち手が変わる理由が並ぶ 「価格」は、それ以上聞かれないので選ばれる答え 理由の分布がこの形なら、値引きは効かない
報告された失注理由と、掘ると出てくる理由。

失注理由を集計すると価格に寄る。だがそれはそれ以上聞かれないので選ばれる答えでもある。

  • 報告された理由 … 価格が高い、他社に決定
  • 掘ると出てくる理由 … 必要性が立たなかった / 社内で推す人がいなかった

理由の分布がこの形なら、値引きは効かない。打ち手が変わるのは、後者の粒度で理由が揃ったときだ。

失注理由が「価格」に集まっている組織は、理由を聞けていないだけの可能性がある。直近10件を、別の言葉で言い直してみる。

論点3 入った時期で、勝負はほぼ決まっている

困りごとが出る要件を考える要件が固まる各社に声がけ ここで入れば、要件そのものを作れる 比べられる前の区間 ここから入ると、他社と 同じ条件で比べられる 提案の質で勝負がつく前に、入った時期で勝負はほぼ決まっている 案件の発生を待つのか、困りごとの段階に居るのかの違い
商談に入る時期で、要件へ影響できる範囲が変わる。

本書が扱うもう1つが、関与の時期だ。要件が固まってから声がかかると、他社と同じ条件で比べられるところから始まる。

困りごとが出た段階に居れば、要件そのものを作る側に回れる。提案の質で勝負する前に、どの区間に居るかで差がついている。

ヨミの精度を実績で較正する手順は ヨミ・着地見込みは当たっているか に。

いちこ

いちこ

案件が出てから動いていました。
シュン

シュン

それだと比べられる側だよね。出る前に相談相手になれているかが効くんだ。

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