「数字で考える」は武器になる の書影

「数字で考える」は武器になる

中尾隆一郎

数字は出せる。だが数字で考えられていない。分けること・揃えること・概算することを扱う論点を3つ紹介する。

✓お勧めする人

  • 数字を出しても判断に繋がらない
  • 部下に数字の扱いを教える
  • 概算が苦手

−おすすめしない人

  • 統計的な分析手法を学びたい
  • 既に分解の習慣がある

著者について

中尾隆一郎

元・リクルート 事業責任者

経歴
リクルートで住宅情報事業やスーモカウンターの事業責任者、人材開発も担当
実績
現場で数字を扱ってきた経験から、分け方と概算の仕方を整理した

かんき出版 / 2019年3月

目的

会議で「解約率8%」と報告した。高いのか低いのか、誰も判断できないまま次の議題に移った。

計算が苦手なのではなく、数字を分けていない。本書を読む目的は、数字を判断に使える形にする3つの作業を身につけることにある。

論点1 数字で考えるとは、分けること

そのまま見る 解約率 8% 高いのか低いのか判断できない 分けて見る 1年未満 18% / 1年超 2% 最初の1年が勝負だと分かる 分け方の候補 … 期間 / 規模 / 商材 / 担当 / 獲得経路 「数字で考える」は計算することではなく、分けること 分ける軸を2つ持てば、打ち手が書ける粒度まで降りる
数字をそのまま見る場合と、要素に分けて見る場合。

「解約率8%」を期間で割ると、1年未満18%、1年超2%と出る。最初の1年が勝負だと分かる。

  • 分け方の候補 … 期間 / 規模 / 商材 / 担当 / 獲得経路

分ける軸を2つ持てば、打ち手が書ける粒度まで降りる。計算そのものは足し算と割り算で足りる。

いちこ

いちこ

全体の数字を見ていれば足りると思っていました。
シュン

シュン

全体は結果なんだ。分けないと、どこに手を入れればいいかが出てこないんだよ。

論点2 比べる前に単位を揃える

合計で比べる A支店 8,000万 / B支店 5,000万 A支店のほうが強い 人数が違うことが見えていない 1人あたりで比べる A 8,000万/10名 = 800万 B 5,000万/4名 = 1,250万 強いのはB支店だった 合計の比較は、規模の違いを強さに見せてしまう 1人あたり / 1件あたり / 1時間あたりに揃えてから比べる
合計だけを比べる場合と、1人あたりに揃えて比べる場合。

A支店8,000万、B支店5,000万。Aのほうが強いように見える。だが人数で割ると逆になる。

  • A … 8,000万 / 10名 = 800万
  • B … 5,000万 / 4名 = 1,250万

合計の比較は、規模の違いを強さに見せてしまう。1人あたり、1件あたり、1時間あたりに揃えてから比べる。

論点3 判断に小数点以下は要らない

正確な数字を待つ 「集計を依頼します」 3日待つ やる価値がないと 3日後に分かる 概算で桁を掴む だいたい月100件 × 5万 年6,000万の規模 その場で判断できる やる価値があるかの判断に、小数点以下は要らない
正確な数字を待つ場合と、概算で桁を掴んでから判断する場合。

集計を依頼して3日待ち、やる価値がないことが3日後に分かる。本書が勧めるのはその場で桁を掴むことだ。

「だいたい月100件 × 5万 = 年6,000万の規模」まで出れば、やるかやらないかは決まる。精度が必要になるのは、やると決めたあとだ。

次に数字を聞かれたら、集計を頼む前に自分で概算を1つ出す。桁が合っていれば判断には足りる。
いちこ

いちこ

正確でないと出せない気がしていました。
シュン

シュン

判断に使うなら桁で十分なんだ。正確さが要るのは、報告書に載せるときだよ。

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