定量分析の教科書 の書影

定量分析の教科書

ビジネス数字力養成講座

グロービス

計算は合っている。それでも結論が外れる。比べ方と分け方を整えるための論点を3つ紹介する。

✓お勧めする人

  • 会議で数字が機能していない
  • 部下の資料を添削する立場
  • 数字の基礎を一度揃えたい

−おすすめしない人

  • 統計的推論や検定を学びたい
  • 分析ツールの操作を知りたい

著者について

グロービス

グロービス経営大学院

経歴
同校の講義をもとに、執筆は教員の鈴木健一が担当
実績
ビジネススクールで実際に使われている演習問題をそのまま収録

東洋経済新報社 / 2016年12月

目的

会議に数字を出した。「今月の受注18件」。計算は正しい。だが何も決まらない。

分析力の問題ではなく、何と比べるかを決めていない。本書を読む目的は、数字を判断材料にするための型を持つことにある。

論点1 数字を出す前に、比較軸を決める

今月の受注 18件 これだけでは何も言えない 時系列で比べる 前月・前年同月 他と比べる 他チーム・他地域 基準と比べる 目標・計画 内訳に分ける 新規とリピート 数字を出す前に、何と比べるかを決める 比較軸を選び損なうと、正しい計算から誤った結論が出る
数字を比べる4つの軸。

本書が最初に扱うのが比較だ。単独の数字には意味がない。

  • 時系列 … 前月、前年同月
  • 他と比べる … 他チーム、他地域
  • 基準と比べる … 目標、計画
  • 内訳に分ける … 新規とリピート

比較軸を選び損なうと、正しい計算から誤った結論が出る。資料を作る前に、どの軸で語るかを1つ決める。

いちこ

いちこ

全部の軸で出したほうが親切でしょうか。
シュン

シュン

全部出すと、どれが論点か分からなくなるんだ。1つに決めて、他は補足に回すといいよ。

論点2 平均を見たら、ばらつきを添える

Aチーム 平均 500万 全員が同じくらい Bチーム 平均 500万 2名が稼ぎ、4名が沈んでいる 平均が同じでも、打つべき手は正反対になる 平均を見たら、必ずばらつきを添える
平均が同じでも分布が大きく異なる。

A・B両チームの平均が500万でも、中身は正反対のことがある。

  • Aチーム … 全員が同じくらい
  • Bチーム … 2名が稼ぎ、4名が沈んでいる

打つべき手はまったく違う。平均だけを見ていると、Bチームに全体研修を当てるような判断になる。メンバーをどう評価するか に具体的な見方がある。

論点3 全体を見ている限り、原因は出ない

売上 -12% 原因が分からない = 商談数 -2% 受注率 -9% 単価 -1% ×× 落ちているのはここだけ 全体の数字を見ている限り、原因は特定できない 掛け算に割ると、手をつける場所が1つに絞れる
売上を掛け算に分解して、どの項が落ちたかを特定する。

「売上-12%」のままでは原因が分からない。商談数・受注率・単価の掛け算に割ると、落ちている場所が1つに絞れる。

  • 商談数 -2% / 単価 -1%
  • 受注率 -9% … 手をつけるのはここ

工程の掛け算として売上を扱う型は THE MODEL が詳しい。

いちこ

いちこ

全体の数字だけ見て「頑張ろう」と言っていました。
シュン

シュン

割ると、頑張る場所が決まるんだよね。そこが違うだけなんだ。

この本の限界と、次に読む本

教科書として作られているため演習が多く、通読には時間がかかる。必要な章だけ引く使い方が合う。因果まで踏み込むなら データ分析の力、思い込みの型なら FACTFULNESS が隣に並ぶ。

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自社の数字で確かめる

この本の考え方を、統計で検証する側の記事です。

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