計算は合っている。それでも結論が外れる。比べ方と分け方を整えるための論点を3つ紹介する。
✓お勧めする人
- 会議で数字が機能していない
- 部下の資料を添削する立場
- 数字の基礎を一度揃えたい
−おすすめしない人
- 統計的推論や検定を学びたい
- 分析ツールの操作を知りたい
著者について
グロービス
グロービス経営大学院
- 経歴
- 同校の講義をもとに、執筆は教員の鈴木健一が担当
- 実績
- ビジネススクールで実際に使われている演習問題をそのまま収録
目的
会議に数字を出した。「今月の受注18件」。計算は正しい。だが何も決まらない。
分析力の問題ではなく、何と比べるかを決めていない。本書を読む目的は、数字を判断材料にするための型を持つことにある。
論点1 数字を出す前に、比較軸を決める
本書が最初に扱うのが比較だ。単独の数字には意味がない。
- 時系列 … 前月、前年同月
- 他と比べる … 他チーム、他地域
- 基準と比べる … 目標、計画
- 内訳に分ける … 新規とリピート
比較軸を選び損なうと、正しい計算から誤った結論が出る。資料を作る前に、どの軸で語るかを1つ決める。
いちこ
全部の軸で出したほうが親切でしょうか。
シュン
全部出すと、どれが論点か分からなくなるんだ。1つに決めて、他は補足に回すといいよ。
論点2 平均を見たら、ばらつきを添える
A・B両チームの平均が500万でも、中身は正反対のことがある。
- Aチーム … 全員が同じくらい
- Bチーム … 2名が稼ぎ、4名が沈んでいる
打つべき手はまったく違う。平均だけを見ていると、Bチームに全体研修を当てるような判断になる。メンバーをどう評価するか に具体的な見方がある。
論点3 全体を見ている限り、原因は出ない
「売上-12%」のままでは原因が分からない。商談数・受注率・単価の掛け算に割ると、落ちている場所が1つに絞れる。
- 商談数 -2% / 単価 -1%
- 受注率 -9% … 手をつけるのはここ
工程の掛け算として売上を扱う型は THE MODEL が詳しい。
いちこ
全体の数字だけ見て「頑張ろう」と言っていました。
シュン
割ると、頑張る場所が決まるんだよね。そこが違うだけなんだ。
この本の限界と、次に読む本
教科書として作られているため演習が多く、通読には時間がかかる。必要な章だけ引く使い方が合う。因果まで踏み込むなら データ分析の力、思い込みの型なら FACTFULNESS が隣に並ぶ。
Amazonで見る Amazonのアソシエイトとして、SaleStats Lab は適格販売により収入を得ています。
自社の数字で確かめる
この本の考え方を、統計で検証する側の記事です。
数と因果のほかの本
- FACTFULNESS ハンス・ロスリング・オーラ・ロスリング・アンナ・ロスリング・ロンランド
- 統計学が最強の学問である 西内啓
- データ分析の力 伊藤公一朗
- 「原因と結果」の経済学 中室牧子・津川友介
- 「数字で考える」は武器になる 中尾隆一郎
- 予想どおりに不合理 ダン・アリエリー